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宇宙の観察から映像化へ。「五藤光学研究所」のプラネタリウム

美しい夜空を疑似的に映し出すプラネタリウム。世界各国にあるプラネタリウムのほぼ半数を作っているのは、日本の五藤光学研究所だ。国内で初めてプラネタリウムを作ったのも同社である。五藤光学研究所のスタート地点は、個人経営の天体望遠鏡会社であった。同社の天体望遠鏡は簡素な造りであるがゆえに、安価であったため、ヒット商品となった。やがて、ここで得た利益をもとに、高度な天体望遠鏡も手掛けるようになる。そして、1956年。創業者の五藤齊三が出会ったソ連製のプラネタリウムが、同社の運命を大きく変えることとなった。

“プラネタリウムブーム”の火付け役に

数々の試行錯誤を重ねた末、1959年に初の国産プラネタリウムが完成。そして、63年には小型のプラネタリウムを、71年にはより鮮明な映写ができるだけでなく、操作も簡単なプラネタリウムを開発し、日本に“プラネタリウムブーム”を引き起こした。五藤光学研究所は、80年代以降もさまざまな機能を付加したプラネタリウムを開発している。