HOME日本の製造業再考 > 苦境に立たされる中小企業

苦境に立たされる中小企業

不況のあおりを受け、多くの大企業が生産拠点を海外へと移転させている。彼らの目的は“海外の安い労働力”にあるが、これに伴い、部品の調達先も海外へとシフトしつつある。そしてこの流れが、日本の中小企業を圧迫しているのだ。大企業を頂点とした系列・下請けの構造は、日本独特の経営方式だが、これが高品質かつ低コストな日本製品を生み出した、と言われている。しかし、大企業がコストと品質を重視するようになった今、この構造が成り立たなくなってきている。

苦境をものともしない中小企業

きわめて厳しい状況に置かれる中小企業ではあるが、一方で大企業をも凌駕する力を持ち、日本一・世界一規模の技術やシェアを誇る中小企業ももちろんある。実際、国内トップシェアの中小企業のうち約100社は、同時に世界トップシェアでもある。その上、世界の市場をほぼ独占する中小企業は10社以上もあるのだ。