大企業の勝利を支えるのは…

自動車以外にも、日本の企業が世界一となっている産業は数多く存在する。そして、これらの産業が互いに結合し、不足を補い合うことで、より競争力の高い製品を生み出している点が、日本の製造業が持つ一番の強みである。ここで忘れてはいけないのは、この熾烈な国際競争における勝利は、大企業が単独で得たものではない、ということである。彼らを支える中小企業や、“町工場”と呼ばれるような、極めて小規模な企業こそが真の立役者なのだ。

大企業を支える中小企業も世界トップクラス

たとえば、日本の金型やベアリングは、技術面とシェアの両方で世界トップとなっているが、これを支えているのは、いずれも従業員100人足らずの小さな企業だ。このように、世界トップを占める大企業は、世界トップの技術とシェアを持つ小規模の企業によって支えられているのである。