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竹中製作所を支えるのは、防錆&高精度のネジ

国内外を問わず、ネジ生産を担うのは中小企業だ。その多くが1社当たり年間1億円程度の売り上げ、世界全体で見ても3兆円程度の売上高であると推定される。日本国内でネジを生産する企業数千社のうち、東大阪にある竹中製作所は年間の売り上げがおよそ40億円にも上っている。当然、竹中は世界トップのネジメーカーである。では、竹中が世界トップの座を手に入れた秘訣とは何か?一つは、海中や海底にあっても50年は腐食しない防錆ネジであり、もう一つは、1/1000ミリの誤差しか許容されないほどの高精度で作られるネジである。

不屈の精神が生んだ「錆びないネジ」

昭和10年創業の竹中製作所もやはり、戦時中は軍需産業を担っていた。特に、軍艦用の大型ネジの生産によって確立した技術が、後の戦後の苦境から同社を立ち直らせることとなる。竹中は船舶用ネジを主軸に据え、高炉用ネジや高圧プラント用ネジ、果ては原発で使用されるネジへとシェアを拡大していく。80年代半ば、同社はまたも危機的状況に陥ったが、フッ素樹脂加工を施した防腐かつ・高精度なネジを完成させたことで、再び世界トップとなったのだ。